2020-01-01から1年間の記事一覧

`&& return` より `and return` を好むべき理由

かつての RuboCop は condition and return というコードに対して、condition && return にするようデフォルトでサジェスチョンしていた。 このサジェスチョンはおかしく見えたので、結構前に構成を変えてデフォルトで condition and return を受け入れるよ…

Rails 6.1で生成コードをRuboCop適用済みにする

Rails 6.1 がリリースされたので、y-yagi さんによる待望のパッチが使えるようになった。 PR にあるように使い方はシンプルで、Rails 6.1 での config/environments/development.rb に以下の設定を足す。 config.generators.after_generate do |files| parsa…

Offers MagazineにOSS開発に関する記事を寄稿した

少し前に Offers さんより、RuboCop コミッターとしての OSS 開発に関する話というオファーをいただいて Offers Magazine に執筆した。文筆物では12年ぶりの新作。 offers.jp オファーいただいていた文字数に対して分量割増しで書いてたものの、自分の OSS …

RuboCop 1.5で導入された`SuggestExtensions`パラメータ

RuboCop 1.5で導入されたSuggestExtensionsパラメータについて記しておきます。 導入されたパッチは以下です。 github.com たとえば Bundler を使って RSpec を依存指定している一方で、RuboCop RSpec を使っていない場合は、以下のように RSpec に対応した…

インタラクティブ プレゼンテーション パターンズを再読した

Kaigi on Rails STAY HOME Edition で登壇した動画が公開された。公開作業ありがとうございます。 www.youtube.com Kaigi on Rails への登壇自体の話は以前書いたエントリに譲り、今回はプレゼンに関する『インタラクティブ プレゼンテーション パターンズ (…

Ruby 3.0.0-devでのActive Record Session Storeのエラー回避

Rails アプリケーションの Ruby 3.0 対応を裏ではじめている頃合いだと思うのですが、Ruby 3.0.0-dev (2020-10-21T09:10:14Z を使っていたけれど preview1 でも同様かも?) を使った Active Record Session Store で以下のエラーが起きた際のメモを書いてお…

RuboCop 1.0 がリリースされた

RuboCop 1.0 がリリースされた。 github.com 自分が最初にリリースを行った 0.93.1 が RuboCop 1.0 より前の最後のリリースになったというのも感慨深いものがあるけれど、さておきついに 1.0 になった。 よい節目なので RuboCop 1.0 と周辺に関するエントリ…

Nokogiriが1.11.0からプリコンパイル済みで配布される

Nokogiri が 1.11.0 からプリコンパイル済みで配布される (らしい) 。 このエントリを書いている時点での Nokogiri のプレリリースバージョンは 1.11.0.rc3 なので、大きな問題がなければ近日リリースの Nokogiri からという少し先取りの話になる。 おや?と…

Parser gem のバージョニングと RuboCop の TargetRubyVersion

Ruby 2.7.2 にあわせた Parser 2.7.2.0 がリリースされた。 Parser と RuboCop の繋がりは大きいので、この機会に RuboCop で解析する Ruby のバージョン指定との関係も書いておく。 Parser のバージョニング Parser のバージョニングは、最新の安定版 Ruby …

Kaigi on Rails STAY HOME Edition に登壇した

Kaigi on Rails STAY HOME Edition に『TDD with git. Long live engineering』というタイトルで登壇した。 kaigionrails.org 発表スライドは以下です。 Zoom での発表だったけれど、ふだん使いは Google Meets や Slack Call がメインだったりするので、メ…

Kaigi on Rails STAY HOME Edition に登壇します

今週末 2020年10月3日(土) に開催される Kaigi on Rails STAY HOME Edition に『TDD with git. Long live engineering.』というタイトルで登壇します。 kaigionrails.org 私の登壇は 16:20-16:40 です。 概ね話はできていて、今回はアジャイルソフトウェア開…

RubyKaigi Takeout 2020 に登壇した

RubyKaigi Takeout 2020 に登壇した。 本編登壇は RubyKaigi 2018 以来 2 回目。去年 RubyKaigi 2019 では LT 登壇で TracePoint を使うことによって仕込んでしまったバグの話をしていた。 今回のスライドは以下です。 RuboCop 1.0 に向けた話 本編から Rubo…

RubyKaigi Takeout 2020 に登壇します

RubyKaigi Takeout 2020 に『Road to RuboCop 1.0』というタイトルで登壇します。 rubykaigi.org 私の登壇は初日の 2020年9月4日(金) 14:00-14:25 です。 RuboCop 1.0 に向けた最新情報でまとめています。RuboCop のライトユーザーから拡張 Cop を作っている…

Thor x Rails 6.0での注意点

Rails アプリケーションを構築する際に、バッチ処理や便利タスクなどで Thor (現在の最新バージョンは 1.0.1) を使っている機会があると思うのですが、Rails 5.2 から Rails 6.0 で挙動が変わっていた点とその解決方法をシェアしておきます。 対象 Thor タス…

不正なバイトを置換文字で置き換えるCSV.openオプション

CSV 3.1.6 がリリースされました。 github.com CSV 3.1.6 には、CSV.open に不正なバイトを置換文字で置き換えるオプションを追加するのに送ったパッチが取り込まれているのでその紹介です。 ユースケースとして、MS Excel 向けのエンコーディング (有名な C…

パーフェクトRuby on Rails【増補改訂版】をレビュアー献本いただいた

パーフェクトRuby on Rails【増補改訂版】をレビュアー献本いただいた。出版おめでとうございます & 献本ありがとうございました。 パーフェクト Ruby on Rails 【増補改訂版】作者:すがわらまさのり,前島真一,橋立友宏,五十嵐邦明,後藤優一発売日: 2020/07/…

rubocop -a と rubocop -A オプション

RuboCop 0.87 がリリースされた。 github.com 今回の目玉は rubocop -a コマンドラインオプションへの非互換変更となる。 これまでは rubocop -a オプション (rubocop --auto-correct も同義) を使った場合に、自動修正を備えたすべての Cop が適用されたて…

GitHubの新デザインを先取りして使う

GitHub がユーザー全体のデザインを変えるより前に、Feature preview を使うと先駆けで新デザインを使うことができる。 先行して新デザインが使えるときは、以下の Feature preview に通知がきているので、それを有効にする。 過去に自分が見たプレビュー機…

GitHub が落ちた時に復旧情報を受け取る

Twitter のタイムラインが賑わう GitHub のサービスダウンに関する tip です。 GItHub のサービスの状態については https://status.github.com/ で確認できます。 さらに右上の Subscribe から復旧状態をメールなどで通知を受け取ることができます。 たとえ…

pluck.uniqをdistinct.pluckに置換する

先日リリースした RuboCop Rails 2.6.0 でバグフィックスされた Rails/UniqBeforePluck についての話。 この Cop は RuboCop Rails に細かな部署があるなら、スタイルではなくパフォーマンスに属するもの。RDBMS から結果を取得したあとに Ruby の uniq で一…

SSDが擦り切れる前にルーターとHDDを導入した

2013 年モデルの MacBook Pro を開発機に使っていて、一説によると寿命の目安が5年くらいとも言われている SSD がアディショナルタイムに突入して数年経過している。多くの作業中ブランチを含む手元の OSS リポジトリやら環境が飛ぶと立ち直るのがつらい状況…

`Layout/LineLength` のデフォルトを 120 にした

RuboCop の LineLength のデフォルトが 80 ではつらいという声はずっと聞いていて、そもそも RuboCop にパッチを送り始めた頃は、いつかこの変更をするのが目標のひとつだった。 今回 3年半越しに実現することができた。現在の最新版の RuboCop 0.84.0 に適…

Rails 6.0で不要なArel.sqlを減らす

Rails 5.2 で以下のように Arel.sql を使ってセキュアな文字列であることを明示するという警告が出るようになっていたのは、多くの Rails アプリケーション開発者が通ってきているように思える。 DEPRECATION WARNING: Dangerous query method (method whose…

RuboCopドキュメントのAsciiDoc化

今日は代休をとっていた。RuboCop の方で公式サイトというかランディングページが刷新された。 rubocop.org サイトといえばドキュメントいうわけで、そちらは Markdown から AsciiDoc に置き換えようという動きがあって、ドキュメント生成タスクまわりを Asc…

Ruby Banitsa THURSDAY, 21ST OF MAY

昨晩というか今日の JST 1:30 くらいから Bozhidar が RuboCop 1.0 の話をするというのでインターネット講演を視聴していた。 rubybanitsa.com たぶんブルガリア方面のローカル Ruby コミュニティのようで、ツールは Zoom で 34 人くらい参加していたと思う…

Ruby 2.7 と Rails 6.0 / Rails 5.2 への展望と懸念

Ruby 3.0 に向けた Ruby 2.7 と Rails の状況がめまぐるしく変わっているようなので、現在持っている知識のスナップショットを書き残しておきます。 Rails 6.0 系と Ruby 2.7 系 昨日、Matz によって今後リリースされる Ruby 2.7.2 でキーワード引数の分離へ…

Railsでcontent_tagメソッドの代わりにtagメソッドに使う

Rails で content_tag メソッドの代わりに tag メソッドに使うように促す cop を次の RuboCop Rails 2.6.0 で導入する予定です。 github.com 以下、bad ケースと good ケースをサンプルから抜粋します。 # bad content_tag(:p, 'Hello world!') content_tag(…

Faker のコミット権をもらった

昨年くらいに Faker の org メンバーになっていたけれど、リポジトリの PR がたまっていている状態をどうにかしたかったので、そこのチームにコミット権を付与してもらった。 github.com アクティブなチームメンバーがマージできるようになったのではと思う。

GW にやったこと (2020年)

GW にやったことについて、GitHub から辿れることを中心に書き残しておく。 .rubocop.yml で ERB を書けるようになるパッチをレビューしてマージした。 こんな書き方ができるようになる。 AllCops: Exclude: <% `git status --ignored --porcelain`.lines.gr…

Active Recordでのヒント句の書き方

Active Recordでのヒント句の書き方について。 クエリの実行計画の最適化を RDBMS のオプティマイザ (プランナ) に任せずに、アプリケーション側で指定するのにヒント句というのがあります。通常 RDBMS のオプティマイザに任せたりしていますが、DBA からチ…