同僚の haru01 のリツイートで『リファクタリング 第2版』のカットオフを読めると知って、Safari online books service で斜め読みした。同サービスへのフリートライアルでも読むことができる。
If you have a subscription to the Safari online books service, you can access a rough cut of the 2nd edition of refactoringhttps://t.co/JO6AF4O1jO
— Martin Fowler (@martinfowler) August 29, 2018
端的にいうと全面改訂された一冊。結論からいうと発売されたらこれは間違いなく買い。
リファクタリングの題材となるコードが Java から JavaScript になるというという前情報はあったが、実際に見るのとイメージはずいぶん違ったものだった。リファクタリング名について、第一版で Extract Method や Inline Method と名づいていたものは Extract Function や Inline Function といった JavaScript っぽい名前になり、コードも現代の JavaScript ならではのリファクタリングされたクリーンなコードが示されている (細かいことを挙げるとリファクタリングのイメージも UML から模式図に変わっているようだ) 。Martin Fowler がなぜ JavaScript を選んだのか?ということがわかる。第一版を読んでいる世代でも Martin Fowler の示す現代的なクリーンな JavaScript の書き方、書き直し方を知る意味でも価値があるだろう。
また、第一版ではサンプルコードの題材がレンタルビデオであったが、2010 年代も終わりに近い現代にレンタルビデオを使っても読者によっては "What’s a video rental store?" である。ということでサンプルコードのお題が時代背景に依存しないものに変えられている。
第一版から第二版で全面改訂されたというと Kent Beck が記した『エクストリームプログラミング (白本) 』が記憶に強いが、彼と『XP 緑本』を記した Martin Fowler が自身の名著を古典ではなく名著たるを示すため全面改訂を行なっていることに期待が上がる一方だ。
XPエクストリーム・プログラミング実行計画 (The XP Series)
- 作者: ケントベック,マーチンファウラー,Kent Beck,Martin Fowler,長瀬嘉秀,飯塚麻理香
- 出版社/メーカー: ピアソンエデュケーション
- 発売日: 2001/04
- メディア: 単行本
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優れた技術書がとある分野だとその書籍が古典として後に続く名著が現れず、時代による学習接点の断絶が起きることがあるが、現代に合わせた改訂で時代を越えて甦るのは素晴らしいのひとことに尽きると思う。
- 作者: Martin Fowler
- 出版社/メーカー: Addison-Wesley Professional
- 発売日: 2018/11/12
- メディア: ハードカバー
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表紙も黒と赤のシグネチャシリーズ装丁になり、手元に置く日が楽しみな一冊である。